2020年度の補助金や助成金は、新型コロナウイルスの影響で例年以上に種類が増え、特にテレワークを中心としたものが多くなっています。
補助金・助成金の種類は非常に多く、国や自治体のものを含めると数千もの数があると言われています。
今年はコロナショックの影響で特別対応などの期間限定も増えて、更に数が多く複雑化しています。
そのたくさんある中で、「どれを使えばよいのか迷っている」という問い合わせが増えています。
そこで今回は、特にIT系に利用しやすい補助金・助成金について以下にまとめてみました。
- 小規模事業者持続化補助金<一般型>
- 小規模事業者持続化補助金<コロナ特別対応型>
- IT導入補助金
- ものづくり補助金
- 事業継続緊急対策(テレワーク)助成金(東京都)
- 働き方改革推進支援助成金(テレワークコース)
- 働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)
- 業務改善助成金:中小企業・小規模事業者の生産性向上のための取組を支援
せっかく利用できるのに知らないばかりに、逃してしまわないようにご参考になれば幸いです。
※今年は、規制緩和や期間延長などで、随時変わっているので現時点(2020/5/17現在)のものとさせていただきます。
目次
そもそも補助金と助成金の違いって何?
まず最初に聞かれるのは、
「そもそも補助金と助成金の違いって何?」
混同されている方も多くみられます。たしかに似ていて、どちらも事業の支援の為に利用でき返済する必要ないところも共通しています。
以下、両者の違いを簡単にご説明します。
厚生労働省が管轄の助成金
助成金とは受給要件を満たしていれば、申請を行えば不備がない限り、ほぼ100%受け取ることができます。
厚生労働省が管轄で、企業が支払っている雇用保険の一部が財源になっています。
よって、従業員がいて雇用保険加入していることが最低条件となります。
経済産業省管轄の補助金
一方、補助金は申請内容を審査され、採択(合格)されれば支給されます。
採択率(合格率)はその補助金によって異なりますが、今回の新型コロナ対策の補助金に関しては、採択率が高いと言われています。
募集期間が短く、複数回に分けて募集していることが多いのですが、予算が無くなったら募集が終了してしまいます。
ITで活用できる補助金・助成金
前述したように補助金・助成金は種類が多く、国だけでなく自治体の物を含めると何千にもおよぶと言われています。その中で今回はITで活用できるものをピックアップしてご紹介します。
小規模事業者持続化補助金<一般型>
以前から存在していた「小規模持続か補助金」は、適用範囲が広く活用しやすいのが特徴です。条件に合えば、一度だけでなく毎年継続に受けられます。
今年はこの一般型の他、後述するコロナ対策型があります。
対象者の範囲
対象者は、個人事業主、フリーランス、小規模企業、一定の要件を満たした特定非営利活動法人が対象になっています。
- 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く):常時使用する従業員の数が5人以下
- サービス業のうち宿泊業・娯楽業、製造業、その他:常時使用する従業員の数が20人以下
対象外にならない者
逆に非対象者としては以下となります。
- 一般社団法人、公益社団法人
- 一般財団法人、公益財団法人
- 医療法人
- 宗教法人
- 学校法人
補助金額
原則50万円を上限に補助(補助率:2/3)
つまり、75万円費用がかかった場合は、50万円支給されるということです。
対象となる経費
既存の販路を拡大するため、もしくは新商品の開発・販路開拓をするためのかかった経費
すなわち、事業の継続・維持に必要な経費となります。
かかった経費は、以下のように広範囲で申請することが可能です。
①機械装置等費、②広報費、③展示会等出展費、④旅費、⑤開発費、⑥資料購入費、⑦雑役務費、⑧借料、⑨専門家謝金、⑩専門家旅費、⑪設備処分費(補助対象経費総額の1/2が上限)、⑫委託費、⑬外注費
ここでは例を2つ挙げてみます。
例1)新規でソフトウェアを導入して業務を効率化させる
これまで、手で集計していた経理や会計をソフトウェアを導入して決算業務を効率化させる。
そのために必要なパソコン、ソフトウェア費、保守費用、コンサル費、研修費などが申請できます。
例2)販路開拓のため集客用ツールを作る
オフラインの営業が難しくなったので、オンラインの営業に切り替える。
そのためホームページ上に、集客用ツールであるオンラインクイズ検定を作りインターネットでの販路を開拓する。
そのために必要なツール開発費、サーバ費、保守費、コンサル費、WEB広告費などが申請できます。
余談ですが、ネットでの販路開拓には集客サイトが効果的です。
集客サイトについてはこちらの記事をご参考ください。
https://aka-link.net/6kata-kumiaw
対象とならない経費
様々な用途で利用できますが、対象とならない場合もあります。
例えば、
自社で対応できる業務などは、当然のことですが外注する必要がありませんので、申請できません。
また、条件に適さない経費も対象外となります。
条件に適さないとは、事業の継続・維持に必要な経費以外のことです。
例えば、
単に認知度を上げるための単なる会社概要など記載したホームページ制作は、事業の継続・維持に必要とは言い難いので対象外となります。商品サービスを売るためのホームページ、すなわち集客用サイト制作でしたら対象となります。
詳細は、窓口が日本商工会議所となるので、そちらにお問い合わせください。
小規模事業者持続化補助金<一般型>
https://r1.jizokukahojokin.info/
小規模事業者持続化補助金<コロナ特別対応型>
上記の一般型との違いは、コロナ対応に特化しているところです。
また補助金額が100万円と一般型の倍となっております。すなわち150万円で申請すると補助額が最大100万円支給されるということです。
さらに、2つの大きなメリットがあります。
遡及適用
本来の補助金は申請してから採択(合格)されてからの分しか貰うことができませんでした。しかしこちらは、これまで使った経費を2020年2月18日以降だったら遡って申請することが可能です。
前払い制度
一般的な補助金は採択されてから、2ヶ月後ぐらいにもらうことができます。しかし資金繰りができなくなる事業者が多いため特別措置として前払い制度が設けられています。
必要な書類を提示すれば、申請金額の1/2が即時払いしてもらえます。
コロナ対策特化の条件
コロナ対策特化の条件があり、それは以下です。
小規模事業者等であり、補助対象経費の6分の1以上が、
下記要件 A〜C いずれかに合致する投資であること。
A:サプライチェーンの毀損への対応
B:非対面型ビジネスモデルへの転換
C:テレワーク環境の整備
Aは流通経路(ものの流れ)の対応ということです。例えば、仕入れ先が営業停止になったので仕入れができなくなりました。そこで自社で内製化するための、設備投資などが対象となります。
Bは簡単にいうと、これまで対面で行っていた物をオンラインに切り替えるということです。
例えば、店舗販売しかしていなかったため、売れなくなりました。そこでオンラインショップを立ち上げるため、ネットショップを作るための経費が対象となります。
Cは、WEB会議システムやクラウドサービスを導入した際の費用が対象となります。
※いづれもPC・タブレット等のハードウェアの購入費用は対象外
令和2年度補正予算 小規模事業者持続化補助金<コロナ特別対応型>
http://www.shokokai.or.jp/jizokuka_t/
IT導入補助金
これも以前からあったものです。
去年からはホームページが対象外になったので、小規模事業者は利用しにくくなりました。ホームページ制作のみの場合は、前述した小規模持続化補助金を利用すればよいかと思います。
IT導入補助金は、システム導入のための補助金です。顧客管理システム、予約管理システム、就労システムなど従業員がある程度いる中規模企業の対象が多いかもしれません。
しかしECサイトも含まれています。ECサイトとはネットショップのことです。
リアルの店舗で経営が厳しくなっている場合はネットショップに切り替えるという方法もあります。
また、塾やセミナー講師のような教育事業を、オンライン型に切り替えてネットショップで講座を販売することも可能です。
小規模持続化補助金とかぶっている部分がありますが、従業員の人数制限が拡大されたり、補助金額が大きくなっています。簡単に言えば、少し大きめのシステムを導入することができる補助金と思ってください。
補助金額は30万円〜450万円と幅広く補助率は1/2となっております。
小規模持続化補助金より補助金額の上限が多いのですが、補助率が低くなっています。(小規模持続化補助金は補助率2/3)
経済産業省のオンラインシステムにて申請し、IT支援事業者へ依頼する必要があります。
弊社はIT支援事業者なので、ご興味あればご相談ください。
IT導入補助金2020
https://www.it-hojo.jp/
ものづくり補助金
ものづくり補助金は、IT系の補助金では大規模システムを構築する際に利用できるものです。
システムの規模からの位置付けは、以下となります。
小規模持続化補助金 < IT導入補助金 < ものづくり補助金
中小企業者等が行う「革新的な製品・サービス開発」又は「生産プロセス・サービス提供方法の改善」に必要な設備・システム投資等を支援する補助金として位置付けられています。
補助金額は100万円〜1000万円と高く、補助率は1/2または2/3(条件により)となっています。
この「一般型」の他、海外事業の拡大・強化等目的とした設備投資等を支援する「グローバル展開型」や中小企業30者以上のビジネスモデル構築・事業計画策定のための面的支援プログラムを補助する「ビジネスモデル構築型」があります。
ものづくり補助金
http://portal.monodukuri-hojo.jp/
事業継続緊急対策(テレワーク)助成金(東京都)
今回急遽期間延長されました。(2020年5月12日 → 6月1日)
東京都限定ですが、10/10(満額)支給される助成金です。
パソコンやネットワーク機器なども購入経費も対象となっています。
上限が250万円と多く、満額支給されるのが特徴です。
ただし厳密に書類をチャックされるので、必要最小限のものにとどめ、不備のないよう気を付ける必要があります。
事業継続緊急対策(テレワーク)助成金(東京都)
https://www.shigotozaidan.or.jp/koyo-kankyo/boshu/kinkyutaisaku.html
働き方改革推進支援助成金(テレワークコース)
時間外労働の制限その他の労働時間等の設定の改善及び仕事と生活の調和の推進のため、テレワークに取り組む中小企業のための助成金です。
以下1つ以上の実施することが条件となります。
- テレワーク用通信機器の導入・運用
- 就業規則・労使協定等の作成・変更
- 労務管理担当者に対する研修
- 労働者に対する研修、周知・啓発
- 外部専門家(社会保険労務士など)によるコンサルティング
助成額は成果目的により異なり、未達成の場合は200万円、達成した場合は300万円が上限となります。
助成率は、未達成の場合は1/2、達成した場合は2/3となっています。
働き方改革推進支援助成金(テレワークコース)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/jikan/telework_10026.html
働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)
こちらも働き方改革推進支援のための助成金です。
労働時間の縮減や年次有給休暇の促進に向けた環境整備を支援するためのコースとなります。
以下1つ以上の実施することが条件となります。
- 労務管理担当者に対する研修
- 労働者に対する研修、周知・啓発
- 外部専門家(社会保険労務士、中小企業診断士など) によるコンサルティング
- 就業規則・労使協定等の作成・変更
- 人材確保に向けた取組
- 労務管理用ソフトウェアの導入・更新
- 労務管理用機器の導入・更新
- デジタル式運行記録計(デジタコ)の導入・更新
- テレワーク用通信機器の導入・更新
- 労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新
このように労務管理用ソフトウェアやテレワーク導入も対象となっています。
取り組みによってどれだけ労働時間に影響があったかにより、助成額が変わってきます。
※原則としてパソコン、タブレット、スマートフォンは対象となりません。
働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000120692.html
業務改善助成金:中小企業・小規模事業者の生産性向上のための取組を支援
中小企業・小規模事業者の生産性向上を支援する助成金で、生産性向上のための設備投資(機械設備、POSシステム等の導入)などが申請できます。
支給条件として特に
生産性向上に資する機器・設備などを導入することにより業務改善を行い、その費用を支払うこと
( (1) 単なる経費削減のための経費、 (2) 職場環境を改善するための経費、 (3)通常の事業活動に伴う経費は除きます。)
とありますので、業務改善をして従業員の賃金引き揚げを行う必要があります。
助成額や助成率は、賃金引き上げ金額により異なってきます。
業務改善助成金:中小企業・小規模事業者の生産性向上のための取組を支援
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/shienjigyou/03.html
まとめ
今回はIT事業者としての視点から、IT導入に利用しやすい補助金・助成金をまとめました。
他にもあるかもしれませんので、もし知っているものがあれば教えていただければ幸いです。
申請するためには事業計画書なども出したり書類を揃える必要があります。
また、期日も短く素早く申請しなければ、募集が終わってしまいます。
そのためには社労士や行政書士など申請代行していただける方との、コミュニケーションが重要となります。
ハードルが高いものもあるかもしれませんが、返済する必要がない経費がまかなえることは大きなメリットです。
注意事項としては、無事採択されても支給されるまで数ヶ月かかる場合もあるので、その間の資金繰りを考えることを念頭に置く必要があります。
是非、補助金・助成金をうまく活用して、コロナショックに負けない事業に改善していきましょう!
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