自社の商品が思うように売れずに困っている経営者の方の中には、「商品力が原因なのではないか」と課題を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
もちろん商品力は選ばれるうえで重要なひとつの基準ですが、仮に他社より商品力が劣っていたとしても、顧客との関係の作り方次第で商品力で上回っている企業より売れる状態を作ることは十分に可能です。
マーケティングと心理学は相性が良く、様々な心理学に基づくテクニックが使われています。
有名なのを、一部だけ紹介すると以下のようなものです。
- 返報性の法則→人に何か施しをされた場合に、お返しをしなければならないと思う心理
- アンカリング効果→最初に印象に残った数字がその後の判断に影響を及ぼすこと
- ハロー効果→「後光」を表す言葉で、メディアなどに取り上げられると、その人物が魅力的に見えてしまうこと
今回は、その方法のひとつとして、ザイオンス効果という心理学で使われている用語とともに、webマーケティングで顧客との関係性を高めていく方法をご紹介します。
目次
顧客との関係性を深めるザイオンス効果とは?
ザイオンス効果とは、アメリカの心理学者ロバート・ザイオンスが提唱した心理効果であり、「単純接触効果」とも呼ばれています。相手との接触回数を増やすことによって、徐々に関係性を深めていくという効果です。
たとえば、テレビCMで流れている商品に対して、最初はまったく興味がなかったとしても、何度も見ているうちに少しずつ身近に感じたり、同じ商品をお店で見かけた時に「あ、CMでやってたあの商品だ」と徐々に興味がわいてくるという経験は誰もがあるのではないでしょうか。
また、成果を上げている営業マンの多くが、「会社の近くまで来たので寄りました」と明確な目的や機会がなくてもお客様のもとへなるべく足を運ぶ回数を増やすことを心掛けており、実際に契約につなげているのも、ザイオンス効果の影響と言えます。
このように、ザイオンス効果をうまく活用すれば顧客との関係性を高めることができ、ひいては購入につなげることもできるのです。
ザイオンス効果をwebマーケティングで活用する
近年、ブログやSNSで頻繁に情報発信をする企業が増えてきていますが、このように顧客の目に留まるように定期的に情報を発信している企業は、webマーケティングでザイオンス効果を有効活用して顧客の信頼度を高めています。
そしてこれは、商品力の差を覆すほど大きな力を持つこともあります。商品力が高いが週に1回しか情報を発信しないA社と、商品力はA社には劣るものの毎日情報発信しているB社では、あなたはどちらの商品を買いたいと思うでしょうか?同じ質の情報を発信しているとしたら、おそらくB社ではないでしょうか。
毎日情報を発信することはもちろん口で言うほど簡単なことではありませんが、できる限りブログやSNS、メールマガジンなどのツールを利用して、顧客が求めている情報を発信することで接触頻度を高め、顧客との関係性をより良いものにしていくことは非常に大切なことなのです。
メディアの種類と効果的な活用方法
それでは具体的には何を行えば良いのでしょうか?
WEB上で接触頻度を高めるためには様々なメディアを利用する方法があります。
ここでは大きく二つに分けて解説します。
二つのメディアタイプ「プッシュ型」と「プル型」
プッシュ型
「プッシュ(PUSH)=押す」ということで、情報提供側で決めたタイミングでユーザー伝えられるものです。
主なメディアとしては、メールマガジン、LINE@があります。
特徴は、不特定多数へ好きなタイミングで情報提供ができることです。
毎日来る営業がウザいと思う場合も、信頼関係が作れる場合もあるので、一長一短となります。
プル型
「プル(PULL)=引く」ということで、ユーザー側の意思で情報を見にいくことです。
主なメディアとしては、SNS、ホームページ、ブログ、ランディングページ、WEB広告なども含まれます。
特徴は、顧客からのアプローチとなるため、タイミングは顧客しだいとなります。
興味がなければわざわざ見に行かないので、信頼関係の構築はプッシュ型に対して難しくなります。
効果的な活用するには導線設計をすべき
効果的に活用するには、導線設計をしなければなりません。
ホームページを中心に考え、
どこからアクセスを集めるか(入口)、最終目的は何にするか(出口)を考えます。
川の流れのように自然と、山から海への流れを作っていくようにしましょう。
途中流れから外れる場合もあるかもしれませんが、その場合も軌道修正しながら出口まで流れる仕組みを作ることを行います。
例えば、
ブログでアクセスを集める
→ホームページへ誘導
→メルマガフォームへ登録
→メルマガを定期配信
→メルマガから商品を案内
→ランディングページへ誘導
→ランディングページで商品詳細案内
→商品購入
→データ活用をして顧客の動向を分析
このようにメディアによってそれぞれ特徴があるので、その特徴を生かして利用することが大切です。
それぞれのメディアのデジタル化とデータ活用することにより、顧客満足度を上げ続けることができるようになります。
これを続けることが重要です。それによって失敗しないDX化が実現できるようになります。
導線設計についてはこちらの記事で詳しく解説しています。→ウェブサイトの集客率を左右する「導線設計」とは
ザイオンス効果を活かす上での注意点
ただ、情報の発信頻度が高ければ高いほど良いかと言うと、そうとも限りません。
お得な情報だとしても、1日に5件も6件も届いてきたらうっとうしいと感じさせてしまう可能性が高いですし、中には営業をかけられているように感じるお客様もいるかもしれません。
Facebookで「おはようおじさん」といわれている人がいるの知っていますか?
毎朝「おはよう」とよくわからない挨拶回りをしている人のことをいいます。
これはもちろん接触頻度を高いとしても逆効果です。
「おはよう」でなくても、意味もなくコメントをやたらとする人がいたら不快に感じてしまいます。
また、ザイオンス効果が得られる接触回数は、10回が限度と言われています。1人の顧客に10回伝えても興味を持たなければ、それ以上伝え続けても効果は薄いということです。
逆に7回接触したタイミングが一番購入率が高いという「セブンヒッツ理論」というものもあります。これは統計データをもとにしているので信頼性は高いですが、もちろんすべてのケースに当てはまるわけではないので、ひとつの目安としておくと良いでしょう。
また、当然ながら情報の質も重要です。読者の興味を引き付けない内容だったり、批判的な文章が書かれていたり、あまりにも専門的で理解できないような情報は、接触すればするほど悪印象を与えかねません。
一度悪い印象を持たれてしまうと、それ以降は接触頻度を増やしても好印象に持っていくことは困難です。毎回目から鱗の情報を提供しなければいけないと気負う必要はありませんが、ちょっとでも「なるほど」と思えるような情報発信を心掛けてください。
ザイオンス効果は万能薬ではない
これまで、ザイオンス効果の良さを言ってきましたが、「どのような商品でも売れる?」とは考えないでください。
そこまで万能ではなく、ある一定の商品レベルがある前提の話です。
ステーブ・ジョブズは言っています。
どんなマーケティングでも、駄作をヒットさせることはできない。
結局は顧客と良い関係を作ったとしても、顧客が求めるものでないと売れません。
顧客が求めるものをしっかりと調査した商品を開発して、それを売るためのツールとして考えれば良いかと思います。
サブスクリプションを利用した顧客との関係性向上策
サブスクリプションとは定額課金のことをいいます。
スポーツジムの会費、電話料金などは昔からありましたが、最近はどこでもこのビジネスモデルを使ったサービスを構築しています。
最近では、AmazonプライムやOffice365など画期的なサービスが出てきます。
Amazonプライムに関しては、送料が無料で当日配送になるだけでも素晴らしいと思いますが、加えて映画が見放題、音楽がダウンロードし放題など顧客にとって価値があるサービスを提供しています。
このような顧客のことを第一に考えたサービスを提供することによって、顧客との良好な関係を築くことができます。
NetflexがDXの成功事例としてよく挙げられるのはご存知かもしれません。
わざわざレンタルビデオ店に足を運んで、借りに行くことがなくなりました。返しに行くことがまた大変です。忘れると延滞料金がとられています。すっかり忘れて1年間放置なんてことになったら目も当てれられません。
月額料金を支払えば、いつでもどこでも見放題。顧客にとっては本当にありがたいサービスです。
サブスクリプションとザイオンス効果の関係性
サブスクリプションはザイオンス効果とも密接な関係があります。
サブスクリプションは単なる定額制のビジネスモデルではなく、もっと深い意味が込められています。
企業からすれば毎月収益を得られるのはよいのですが、顧客から見れば何かしらのメリットが無ければ、毎月払うのをやめてしまいます。
それでは、どうすればよいでしょうか?
それは顧客が満足するサービスを提供し続けることです。
昔のように買い切りではなく、毎月顧客との関係性を築きながら顧客のためになるサービスを提供していけば、良好な関係が築けます。
そこで、何かしらのサービスを紹介すれば、容易に売ることが可能となります。
それを理解すれば、買ってもらうのがゴールではなく買ってからがスタート、ゴールはなく半永久的に売り続けれることができるようになります。
接触頻度を高める手段として、価値のあるサービスを提供し続ける、これは企業にとって重要な考え方となるでしょう。
まとめ
以上、今回はwebマーケティングで活用できるザイオンス効果についてご説明しました。企業の技術力に差が出づらくなっている昨今では、商品力だけで勝負するのではなく、情報量で顧客との関係性を高めていくことが非常に重要です。
それでは、今回の記事をまとめます。
- web上で継続的・定期的に情報発信し、顧客との接触回数を増やすことで、購入の可能性を高めることができる
- ただやみくもに発信するのではなく、発信方法やコンテンツの質も大切
- web上での情報発信をうまく活用すれば、自社より商品力が高い企業よりも選ばれることは可能
- 接触頻度を高める手段として、価値のあるサービスを提供し続けることが重要
ザイオンス効果をうまく活用して選ばれる企業・選ばれる商品を目指しましょう。
ITツールを使ってザイオンス効果を体験したい方はこちらからご相談ください。
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